『ウィッチャー3 ワイルドハント』が、2026年9月29日にリマスター版として生まれ変わります。
ただ、ここで疑問に感じる人もいるでしょう。
『ウィッチャー3』は2022年にも、PS5やXbox Series X|S、PC向けの次世代機アップデートが実施されています。現在のバージョンでもレイトレーシングやフォトモードに対応しており、十分に美しいゲームです。
それでも今回、改めて「リマスター」として発売されるのはなぜなのでしょうか。
発表されている内容を見ると、今回のリマスターは単なる高画質化ではありません。戦闘、移動、ローチの操作、怪物の挙動、スキルツリー、装備、UI、Mod対応まで、長く遊ぶほど古さを感じやすかった部分が幅広く作り直されます。
対象機種で本編を所有している人には無料で提供され、2本の大型拡張も追加料金なしで開放されます。既存プレイヤーにとっては、かなり試しやすいリマスターになりそうです。
すでに進化している現在のウィッチャー3
現在遊べる『ウィッチャー3』は、2015年に発売された当時のままではありません。
2022年の次世代機版では、PC版のレイトレーシングやDLSS、家庭用ゲーム機の高速ロードとパフォーマンスモードなどが追加されました。
ゲームプレイでも、印を素早く発動できるクイックキャスト、ゲラルトへ近づいたカメラ、フォトモード、クロスプログレッション、マップやUIの調整が行われています。
今回のリマスターは、これらを一度白紙に戻すものではありません。2022年版を土台として、映像とゲームプレイの両方をさらに現代化する計画です。
| バージョン | 主な特徴 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 2015年版 | 物語とオープンワールドの原型 | オリジナル版 |
| 2022年版 | ・レイトレーシング ・性能モード ・クイック印 ・近接カメラ ・フォトモード | 現在の次世代機版 |
| 2026年版 | 映像に加え、戦闘、移動、育成、Mod、UI などを再構築 | リマスター版 |

古い地図でも道は示せる。だが、歩きにくい道を直す価値はある
グラフィックはどこまで変わるのか

リマスターでは、風景だけでなくNPCや怪物のテクスチャも更新されます。
森や湿地の印象を左右する草木のシェーディング、世界全体のライティング、髪や肌の表現、レイトレーシングも見直される予定です。
PC版ではパストレーシングとレイ再構成に対応し、DLSS 4.5、AMD FSR 4、Intel XeSS 2といった新しい描画技術も発表されています。高性能なPCでは、夜の松明、建物へ差し込む光、雨に濡れた地面などで違いが表れそうです。
注目したいのは、特定の機能が追加されることより、光、草木、人物、怪物を含めた映像全体が再調整される点です。

光が変われば、同じ森でも潜むものの気配は変わる。見栄えだけの話ではない
戦闘と移動の古さを作り直すリマスター

今回、最も大きな変化を感じられそうなのが戦闘と操作です。
公式は、戦闘アニメーションの刷新、新しいフィニッシャー、状況に合わせて変化するアダプティブカメラを紹介しています。印のエフェクトも更新され、攻撃、回避、印の発動が、現在より滑らかで勢いのある動きになると説明されています。
2022年版ではクイック印やカメラ設定が追加されましたが、今回は攻撃動作やカメラの追従そのものに手が入ります。
怪物の挙動も強化されるため、ゲラルトが動かしやすくなるだけでなく、敵との間合いや戦い方にも変化が出るかもしれません。ただし、難易度や個別の敵AIが具体的にどう変わるのかは、まだ詳しく発表されていません。
探索では、よじ登りや段差移動を含むトラバーサルが改善され、愛馬ローチの操作も刷新されます。
広大な世界を長時間移動するゲームだけに、段差での引っかかりやローチの方向転換が改善されれば、派手な新機能以上に大きな体感差になりそうです。

派手なとどめより、足運びを見ろ。生き残る差はそこに出る
スキルツリーと装備の自由度も向上

スキルツリーも全面的に再設計されます。
公式によると、キャラクター育成の自由度を高め、選んだ能力がプレイスタイルへ強く反映される仕組みを目指しているとのことです。
現行版のスキルポイントや装備枠がどこまで変わるかは未発表ですが、剣術、印、錬金術をどう組み合わせるかという育成の中心部分に手が入ります。経験者も、これまでと同じ手順では進まなくなる可能性があります。
装備では、性能を維持したまま外見を変更できるトランスモグに対応します。
お気に入りの鎧を見た目として使えるため、性能を優先した結果、装備の組み合わせがちぐはぐになる悩みも減りそうです。
このほか、没入型の瞑想、拡張されたフォトモード、新しいクエスト追跡、戦利品の取得方法、メニュー操作、チュートリアル、アクセシビリティも改善対象になっています。
それぞれは小さな変化に見えますが、100時間を超えて遊ぶこともある『ウィッチャー3』では、こうした改善の積み重ねが快適さを左右します。

強い技を覚えるだけが修行じゃない。何を選ばないかも大切だ
対応機種と無料アップグレードの条件
『ウィッチャー3 リマスター』は、PC、PlayStation 5、Xbox Series X|S、Nintendo Switch 2向けに2026年9月29日に発売されます。
GOG、Steam、Epic Games Store、PS5、Xbox Series X|Sで対象版を所有している場合は、無料でリマスター版へアップグレードできます。
Nintendo Switch版の所有者も、Switch 2でリマスター版を受け取れると公式が案内しています。また、新たにBattle.netでも販売されます。
さらに、本編だけを所有しているユーザーにも、大型拡張『無情なる心』と『血塗られた美酒』が無料で開放されます。
特に『血塗られた美酒』は、新しい地域と長編ストーリーを収録した大規模な拡張です。本編だけを持っている人にとっては、リマスター以上にうれしい追加要素かもしれません。
クロスプラットフォームModは、mod.ioを通じてPC、PS5、Xbox Series X|Sで利用できる予定です。
ただし、PC用Modがすべて家庭用ゲーム機でも使えるわけではありません。各プラットフォームの基準があり、コンソールでスクリプトを使用するModはREDkitで制作する必要があります。
現時点でSwitch 2は、クロスプラットフォームModの対応機種には含まれていません。
PC版では必要環境の引き上げに注意

PC版では最低動作環境が変更されます。
最低CPUはRyzen 5 2600またはCore i5-8400、GPUはGeForce GTX 1660またはRadeon RX 5500 XT 8GBです。VRAMは6GB、メモリは12GB、ストレージには70GBの空き容量が必要になります。
OSは64bit版Windows 11となり、SSDとDirectX 12が必須です。HDDとDirectX 11は新バージョンのサポート対象外になります。
最低条件に近いPCを使っている場合は、発売後のベンチマークや動作報告を確認してから更新した方が安心です。
CD PROJEKT REDは旧バージョンへ戻す方法も用意すると説明しているため、現在の環境やModを残したい人にも一定の選択肢はあります。
結局ウィッチャー3 リマスターは買うべきか

すでに対象機種で本編を持っている人は、買い直す必要がありません。
戦闘、移動、育成、映像の改修を無料で試せるうえ、持っていなかった2本の拡張まで遊べます。既存Modとの互換性を優先するPCユーザーを除けば、アップグレードを見送る理由は少ないでしょう。
未プレイの人にも、物語を重視した長編RPGが好きなら勧めやすい内容です。本編と2本の拡張がまとまり、操作も現代的になるため、シリーズを始める入口として分かりやすくなります。
一方で、完全新作の物語や新マップを期待している人は注意が必要です。
2027年発売予定の新拡張『Songs of the Past』は、リマスター版とは別商品です。リマスターを購入すれば新しい物語まで付いてくるわけではありません。
最終的に確認したいのは、発売後の安定性です。特にSwitch 2版の画質とフレームレート、PC版の負荷、既存Modの対応状況は、実機レビューが公開されてから判断する必要があります。
それでも、無料アップグレードと2本の拡張開放を考えれば、既存プレイヤーには非常に試しやすく、未プレイの人には最も内容の整った『ウィッチャー3』になる可能性が高いでしょう。

新しい剣を買う必要はない。まずは、磨き直された刃を手に取って確かめろ


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