今回は、『ウィッチャー4』の最新情報と、開発元であるCD PROJEKT RED(以下、CDPR)のファンに対する誠実な姿勢についてお伝えします。先日公開された映像に興奮した方も多いと思いますが、少し冷静に、そして楽しみに今後の情報を待つ必要がありそうです。
『ウィッチャー4』テックデモは”実際のゲーム映像ではない”

CCDPRは、先日公開された『ウィッチャー4』の映像が、あくまで開発中の「テックデモ」であり、実際のゲームプレイを映したものではないと改めて強調しました。
これは、過去の反省を踏まえ、ファンの過度な期待を煽ることなく、開発状況を透明性高く伝えたいという同社の誠実な姿勢の表れと言えるでしょう。
『サイバーパンク2077』の教訓から生まれた「透明性」

なぜCDPRは、これほどまでに慎重な姿勢を見せているのでしょうか。その理由は、2020年に発売された『サイバーパンク2077』での苦い経験にあります。
同作は、発売前に公開された映像と実際のゲーム内容、特に家庭用ゲーム機版でのパフォーマンスに大きな乖離があり、世界中のゲーマーから厳しい批判を受けました。
それに加えて、最適化不足による無数のバグやクラッシュ、フレームレートの低下など、多くの問題を抱えたままのリリースとなり、返金対応にまで至る事態となったのです。

この経験から多くの教訓を得たと、同社のエンジニアリングおよびプロダクションマネージャーであるJan Hermanowicz氏は語っています。その教訓こそが、今回の「非常に透明性の高い」情報公開へと繋がっているのです。
「これはゲームプレイではない」という明確なメッセージ

CDPRは、ファンに対して誤解を与えないよう、具体的な言葉で釘を刺しています。
- 「我々はこれをゲームプレイとは呼んでいませんし、実際のゲームであるかのように見せかけることもしません。これは技術的なデモンストレーションです」 とHermanowicz氏は明確に述べています。
- デモで公開されたアセット(キャラクターモデルや背景など)が、最終的な製品版にそのまま含まれるとは限らないことも付け加えています。
- The Game Awards 2024で公開されたシネマティックトレーラーや、今回の技術デモで示されたアートスタイル、ビジュアルの方向性も、開発の初期段階にあるため、今後変更される可能性があるとしています。
これは、「発売前に見たものと違う」という事態を二度と繰り返さない、という強い決意の表れに他なりません。
ファンが取るべき姿勢は「冷静な期待」

以上のことから、私たちウィッチャーシリーズのファンが今持つべきなのは、熱狂的な期待ではなく、「冷静な期待」と言えるでしょう。
CDPRは、『サイバーパンク2077』での失敗を真摯に受け止め、ファンとの信頼関係を再構築しようと努めています。その誠実な姿勢を理解し、応援しつつも、公開される情報はあくまで開発途上のものであると認識することが大切です。
『ウィッチャー4』が最高の形で私たちの元に届く日を、焦らず、じっくりと待ちましょう。そして、CDPRからの次の公式情報を、楽しみに待つことにいたしましょう。
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