ふん、儂がケィア・モルヘンの土くれに還ってからというもの、下界はずいぶんと騒がしいようだな。儂の孫娘のようなシリが、新たな物語の主役になるという噂を耳にしたぞ。
どうやらお前さんたちは、その『ウィッチャー4』とやらに胸を躍らせているらしい。儂が生きていれば、ゲラルトや若造どもにこう語って聞かせただろうな。
主人公はシリか…あいつの力と、背負う運命について

あの小娘が一人前のウィッチャーとして歩み出す、か。まあ、当然の流れかもしれんな。
ゲラルトとは違う戦い方

儂がシリに手ほどきした時はまだ、剣を振るうのがやっとのひよっこだった。だが、あいつには儂らにはない力…時空を超えるとかいう「古き血脈」とやらが流れている。
テレポートで敵を翻弄するあの動きは、儂ら旧世代のウィッチャーの戦い方とは全くの別物だ。ゲラルトが教えた剣技と、生まれ持った魔法の力が合わされば、かつてのどんな達人をも超えるかもしれん。
もっとも、力は使い方を誤れば己を滅ぼす。そこが一番の心配どころだな。霊薬を飲む姿も見たというから、ウィッチャーの基本は忘れてはおらんようだがな。
あいつが「ウィッチャー」であることの意味

シリは正式な「変異」を経てはおらん。だが、心は誰よりもウィッチャーだ。ゲラルトはもう「白狼」として完成された男だったが、シリはまだ若い 。
これから様々な依頼を受け、人の醜さや怪物の悲哀に直面する中で、あいつが「どんなウィッチャーになるか」を決めていくことになるんだろう。
ゲラルトは不器用ながらも己の道を貫いた。シリはあいつなりに、新たなウィッチャーの規範を築き上げていくに違いない。儂はただ、あいつが道を踏み外さんことだけを願うばかりだ。
剣と馬

ゲラルトがあいつに贈った「ジラエル」という剣を、今も大事に携えているようだな。良いことだ。道具を大切にするのは基本だからな。
ケルピーという名の馬も、ローチのように良い相棒になるだろう。
ゲラルトの奴は顔を出すのか?

シリが主役とはいえ、あの朴念仁(ゲラルト)が大人しく隠居できるタマか 。声優とやらも参加すると言うなら、顔を出すんだろう。
物語の中心ではなく、シリを導く師として、あるいは父親として、いざという時に助けに入る…そんな役どころだろうな 。それでいい。それが家族というものだ。あいつが側にいれば、儂も少しは安心できる。
舞台は北の王国「コヴィリ」だと?

ほう、コヴィリか。ずいぶんと北へ行ったもんだな。雪と氷に閉ざされた土地だ。そこに巣食う怪物も、一筋縄ではいかんような手強い奴らに違いあるまい。
それに、裕福な国の王族の陰謀とくりゃ、下手な怪物よりよほど厄介だ。儂らの時代も、人間の欲のせいで何度も面倒に巻き込まれたもんさ。
新しい幻術か何かか…

最近の技術はもはや魔法だな。森や草木、獣の筋肉の動きまで本物そっくりに描き出すというじゃないか。
儂らが若い頃に見ていた世界とは、何もかもが違うようだ。だが、どれだけ見かけが本物そっくりになろうと、剣の重みや霊薬の苦さ、そして怪物の恐怖は、実際に体験せねばわからんものだ。
5. 「リンクス学派」…新しい流派か

リンクス…山猫、か。儂らの〈狼流派〉が事実上、ゲラルトの代で終わりつつある今、新たな流派が生まれるのも時の流れかもしれん 。
それがシリとどう関わるのか…あいつが新しい流派を興す?ありえん話ではないな。ケィア・モルヘンの悲劇を繰り返さぬよう、より良いウィッチャーの在り方を、あいつなら見つけられるかもしれん 。
完成はまだ先らしいな

すぐには世に出んようだな。結構なことだ。焦って不完全なものを出すことほど愚かなことはない。ウィッチャーの仕事道具は、念入りに作り込むべきだ。
一つの欠陥が命取りになるからな。かつての失敗から学ぶというのは賢明な判断だ。過ちを認め、次に活かすことこそ、成長の証だからな。
まとめ

つまり、次の物語はシリが紡ぐ新しいウィッチャーの伝説、ということか。儂はもうこの世にはおらんが…ゲラルトが、そしてシリがあの過酷な世界でどう生き、何を成すのか、草葉の陰から見守らせてもらうとしよう 。
儂が教えた剣技と、何よりも大切にしろと言い聞かせた仲間との絆を忘れん限り、あいつらはきっと道を切り拓くだろう 。
…ふん、続報とやらを、気長に待つとしようか。
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