CD Projekt Redが開発中の『ウィッチャー4』。その開発において、ある意外なタイトルがインスピレーション源になっていることが判明し、海外コミュニティで議論を呼んでいます。
そのタイトルとは『キングダムカム・デリバランス2(以下KCD2)』
魔法もモンスターも登場しない、徹底した「中世リアルシミュレーター」である本作が、なぜファンタジーの頂点にあるウィッチャーに影響を与えているのでしょうか? 日本ではまだ知名度の低いこのKCD2のを紹介しながら、次世代のウィッチャーがどう進化するのかを紐解いていきます。
そもそも『KCD2』とは?「面倒くさい」リアリティ
KCD2を一言で表すなら、「中世の人生をそのまま体験するシミュレーター」です。ウィッチャー3が「映画のような体験」なら、KCD2は「ドキュメンタリー」に近い手触りがあります。実際のゲーム画面を参考に、その特異性を見てみましょう。
1. ボタン一つで回復しない?「手作業」の錬金術
普通のRPGなら、メニュー画面を開いて「ポーション作成」ボタンを押せば一瞬でアイテムが完成します。しかし、KCD2ではそうはいきません。

ご覧の通り、実際に実験台の前に立ちます。
- レシピ本を読む(まず文字を読むスキルが必要)
- 棚から薬草を選ぶ
- 大釜に水や油を注ぐ
- 薬草をすり鉢で挽く
- タイミングよく沸騰させる
- 瓶に注ぐ
これら全てをプレイヤーが操作します。「面倒くさい」と感じるかもしれませんが、この工程があるからこそ、「この薬は貴重だ」という実感が湧くのです。
2. 剣の手入れもミニゲーム
武器の修理も、鍛冶屋にお金を払うだけではありません。自分で砥石を使って研ぐことができます。

剣の角度を調整し、足でペダルを踏んで砥石を回転させ、適切な圧力をかける。失敗すれば逆に刃こぼれします。「道具を大切にする」という感覚が、システムとして組み込まれているのです。
3. 服の汚れが命取りになる

KCD2の世界では、身だしなみがNPCの反応に直結します。 血まみれの鎧で街を歩けば衛兵に職務質問され、悪臭を放っていれば商人は取引を渋ります。
逆に、貴族のような服を着ていれば、平民は卑屈な態度をとります。「カリスマ性」というステータスだけでなく、実際の「見た目」が社会的な信用に影響するのです。
ウィッチャー4への影響:ゲラルトにはなかった「生活感」
では、これらの要素が『ウィッチャー4』にどう影響するのでしょうか? もちろん、ウィッチャーは魔法が存在する世界なので、KCD2ほど極端なシミュレーターにはならないでしょう。しかし、以下の2点は十分に考えられます。
戦闘システムの変化:クリック連打からの卒業
KCDの戦闘は、方向指定入力(マウスやスティックを特定の方向に倒して攻撃)を採用しています。

ウィッチャー3の華麗な剣舞(回転しながら敵をなぎ倒すスタイル)とは対照的に、相手の構えを見て隙のある方向から打ち込む、ジリジリとした緊張感のある戦いです。
もしウィッチャー4がこれを取り入れるなら、怪物との戦闘はより「死闘」感を増し、一撃の重みが変わってくるでしょう。
「準備」の儀式化
ウィッチャーの仕事は、怪物を調べることから始まります。 これまではメニュー画面で完結していた「オイルの塗布」や「霊薬の作成」が、KCD2のように焚き火を囲んで行う「儀式」のようなプロセスになるかもしれません。それは手間ですが、怪物狩りへの没入感を飛躍的に高めるはずです。
まとめ:KCD2が示すRPGの未来

KCD2が提示しているのは、「便利さ=面白さではない」というアンチテーゼです。 あえて不便にし、プレイヤーに手間をかけさせることで、世界への没入感を生み出す。CD Projekt Redはこの哲学を、ウィッチャーというダークファンタジーに融合させようとしています。
もし『ウィッチャー4』で、ポーションを作るために薬草をすり潰す動作が必要になったとしたら、あなたはどう感じますか? 「面倒だ」と思うか、「これこそがウィッチャーの生活だ」と感じるか。そのバランスこそが、次世代RPGの評価を分ける鍵になりそうです。

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