現在、ネット上では5月に発売が噂されるウィッチャー3の新DLCの話題で持ちきりです。 しかし、開発元のCD Projekt Redはすでにその先の未来を見据えています。
最新のCD Projekt Redの求人情報を分析すると、現在開発が本格化しているナンバリング最新作ウィッチャー4が、これまでのシリーズとは次元の違うAIを搭載しようとしていることが見えてきました。
今回は、既存のウィッチャー3エンジンの限界を超え、完全新作であるウィッチャー4だからこそ実現できる次世代のオープンワールドの姿を考察します。
配置された敵から、自律思考する生態系へ

これまでのウィッチャー3では、モンスターや盗賊は特定の場所に配置(スポーン)されるのが基本でした。彼らはプレイヤーが近づくと反応し、離れると元の位置に戻るという、決められたルーチンの中で生きています。
これは既存のエンジン(REDengine)の仕様であり、素晴らしい物語体験を提供する上では十分な機能でした。
しかし、今回ウィッチャー4の開発チームが募集しているのは動的なリアルタイム・エコロジー(生態系)を構築できるエンジニアです。
これは、Unreal Engine 5のパワーを使い、NPCやモンスターが環境の変化に合わせて自律的に判断して行動するシステムの構築を意味します。

例えば、ウィッチャー4の世界で激しい雨が降ったとします。これまでのゲームなら、NPCは雨の中でも平然と歩いているか、単純に走るモーションに切り替わるだけでした。
しかし、次世代AIを搭載したW4のNPCたちは、
✅雨を避けるために最寄りの屋根を探す
✅商人は商品を濡らさないようにカバーを掛ける
✅モンスターは体温低下を防ぐために巣穴の奥へ移動する
といった、生物として自然な行動を動的に選択するようになるでしょう。
サイバーパンク2077の教訓を活かした「群衆AI」

CD Projekt Redにとって、AIの進化は次回作の評価を左右する最重要課題です。前作サイバーパンク2077では、発売当初、街を歩く群衆NPCの挙動が単調であると指摘を受けました。
どれだけグラフィックが実写に近づいても、そこに住む人々の動きが機械的であれば、プレイヤーの没入感は削がれてしまいます。
最新の求人では、こうした群衆の振る舞いをより複雑で人間らしくするためのスペシャリストが求められています。
ウィッチャー4で描かれる新しい大都市や集落では、プレイヤーがただ立っているだけでも、周囲のNPCたちが噂話をしたり、喧嘩を始めたり、あるいはプレイヤーの装備や名声レベルに応じて態度を変えたりといった、脚本のないドラマがリアルタイムで生成されることが期待されます。
【妄想】AIがもたらすかもしれない「究極のウィッチャー体験」
ここからは少し夢のある話をしましょう。 もし、この次世代AIが理想的な形で実装されたら、私たちのゲーム体験はどう変わるのでしょうか? 求人情報から想像できる、いくつかのプラスの影響を夢想してみます。
プレイヤーの「癖」を学習するモンスター

これまでのゲームでは、敵の行動パターンを覚えれば勝つことができました。しかし、AIが強化されたモンスターは、逆にプレイヤーの癖を学習するかもしれません。
「このウィッチャーは魔法(印)ばかり使う」と判断すれば、魔法耐性のある布陣を敷いたり、「遠距離攻撃が多い」と判断すれば、盾を使ったり地形の裏に隠れながら接近してきたり。
毎回異なる戦術が必要になる、緊張感ある「怪物退治」が楽しめるかもしれません。
終わらない「探偵パート」

ウィッチャーシリーズの醍醐味である、痕跡を追う探偵パート。これまでは開発者が用意した正解をたどるだけでしたが、AIが状況に合わせて手がかりを自動生成できるようになればどうでしょうか。
「足跡が雨で消えてしまったから、代わりに匂いを追うルートが生成される」
「目撃者の証言が、プレイヤーの聞き込みの態度によって変化する」
AIがゲームマスターのような役割を果たし、二度と同じ展開にならないミステリーを楽しめる可能性があります。
本当の意味での「評判」システム
村で一つ悪事を働けば、その噂がAIを通じて隣町へ伝播していく。逆に、人知れず怪物を退治したことが、吟遊詩人のAIによって歌になり、いつの間にか世界中に広まっている。
「世界が自分の行動を見ている」という感覚が、これまでにないレベルで味わえるようになるかもしれません。
ウィッチャー3新DLCは「物語」を、ウィッチャー4は「体験」を進化させる

間もなく発表されるであろうウィッチャー3の新DLCは、私たちに新しい物語と冒険を提供してくれる素晴らしい贈り物になるはずです。しかし、ゲームとしての構造やAIの賢さといった根本的な進化は、現在開発中のウィッチャー4まで待たなければなりません。
8億ドルとも言われる巨額の開発予算。その多くは、ただ画面を綺麗にするためだけでなく、こうした見えない頭脳を作り、ウィッチャーの世界を本当に生きている世界へと進化させるために使われているのでしょう。
物語の続きを新DLCで楽しみつつ、技術の革新をウィッチャー4で待つ。これからの数年は、ウィッチャーファンにとって最高に忙しい期間になりそうです。

コメント