「ウィッチャー3 ワイルドハント」は、単なるゲームの枠を超えた伝説として語り継がれています。しかし、いきなり3から始めると「ゲラルトって誰?」「なぜシリを探しているの?」と疑問に思うことも多いのではないでしょうか。
さらには2027年頃に発売予定のウィッチャー4を楽しくプレイするためにもウィッチャー3のストーリーを理解しておくことは重要です。
ウィッチャーは3部作となっています。この物語は3作目だけでは語りきれないほど壮大で、深い歴史があります。
今回は、ウィッチャーシリーズの重厚なストーリーを、記憶喪失の始まりから感動のラスト、そして次なる新作ウィッチャー4への期待まで、一気に、そして分かりやすく解説していきます。これを読めば、ゲラルトの旅が何倍も味わい深いものになるはずです。

全ては「記憶喪失」から始まった(ウィッチャー1〜2の背景)
伝説のウィッチャー、リヴィアのゲラルト。彼の物語は、なんと「記憶喪失」というどん底の状態から再スタートしました。
ウィッチャー3に至るまでに、彼がどのような道を歩んできたのか、その重要な過去を振り返りましょう。
記憶を失った男とサラマンドラの陰謀
1270年、死んだはずのゲラルトはウィッチャーの砦「ケィア・モルヘン」で息を吹き返します。しかし、彼には自分の名前すら思い出せないほどの記憶障害がありました。
師匠であるヴェセミルたちに支えられ、リハビリ生活を送っていた矢先、謎の組織「サラマンドラ」が砦を襲撃します。彼らの目的は、ウィッチャーを生み出すための秘薬とその製法を奪うことでした。

この戦いで、ゲラルトは弟分のような存在だった若き見習いウィッチャー、レオを目の前で殺されてしまいます。復讐を誓い、盗まれた秘薬を取り戻す旅に出たゲラルトは、やがてテメリア王国の政治的陰謀や、狂信的な騎士団との戦いに巻き込まれていきます。
この過程で、彼は自分がかつて愛した女性「イェネファー」の存在や、自分の過去の断片を少しずつ取り戻していきますが、それはまだ深い霧の中でした。
王殺しの汚名と北方の混乱
記憶を取り戻す旅の途中、ゲラルトはテメリア王フォルテストの護衛を務めることになります。しかし、王はゲラルトの目の前で謎の暗殺者に殺害されてしまいました。
現場に居合わせたゲラルトは「王殺し」の濡れ衣を着せられ、投獄されてしまいます。そこで出会ったのが、テメリアの特殊部隊を率いるロッシュでした。ロッシュの手引きで脱獄したゲラルトは、真犯人を追うことになります。

真犯人は「蛇流派のウィッチャー」レソ。彼は北方諸国を混乱させるために王たちを暗殺していました。この追跡劇の中で、ゲラルトは記憶を完全に取り戻し、イェネファーが生きていること、そしてニルフガード帝国が北方への侵略を企てていることを知ります。
政治的な陰謀、裏切り、そして戦争。すべてがウィッチャー3の舞台へと繋がっていくのです。
運命の子「シリ」を巡る壮大な旅(ウィッチャー3本編)
記憶を取り戻したゲラルトの元に、最愛の女性イェネファーから連絡が入ります。ここからいよいよ「ウィッチャー3」の物語が幕を開けます。
帝国からの依頼と「古き血」の秘密
再会したイェネファーがもたらしたのは、ニルフガード皇帝エムヒルからの緊急の依頼でした。その内容は、行方不明となっている皇帝の娘であり、ゲラルトの養女でもある「シリ」を捜索すること。
シリはただの王女ではありません。「古き血脈(エルダーブラッド)の子」と呼ばれる、時空間を操る強力な力を受け継ぐ末裔なのです。その力を狙って、異世界からの侵略者「ワイルドハント」が彼女を執拗に追っていました。

ゲラルトは愛する娘シリを救うため、戦争で荒廃したヴェレン、大都市ノヴィグラド、そして極寒の群島スケリッジへと旅を続けます。
家族の絆と究極の選択
旅の中でゲラルトは、多くの「家族」の形を目にします。
DVと後悔に苛まれる「血まみれ男爵」、狂信的な魔女狩りが横行する街で愛を貫く人々、そしてスケリッジでのクラッハとの友情。これらはすべて、ゲラルト自身がシリに対して抱く「父性」や「家族愛」を問いかけるものでした。

ついに霧の島でシリと再会したゲラルト。しかし、彼女は自分の強大すぎる力に怯え、傷ついていました。ゲラルトとイェネファーは、シリをただ守るだけでなく、彼女が自分の力を制御し、自立した一人の人間として歩めるよう支えることを決意します。
決戦、そして伝説の結末へ
物語はクライマックスへ向かいます。ワイルドハントを迎え撃つため、ゲラルトたちは故郷ケィア・モルヘンに仲間を集結させました。
ケィア・モルヘンの悲劇と覚醒
壮絶な防衛戦の最中、シリを守るために師匠ベセミルが命を落とします。親同然だったベセミルの死に直面したシリは、悲しみと怒りで力を暴走させかけますが、ゲラルトたちの愛によってこれまでの弱さを乗り越え、覚醒します。
「守られるだけの存在」から「戦う意志を持つ者」へ。シリの成長こそが、この物語の核心でした。
白き霜との対峙
ワイルドハントの王エレディンを倒した後、真の脅威が明らかになります。それは世界を滅ぼす自然現象「白き霜」。これを止められるのは、古き血を持つシリだけでした。
ここで重要になるのが、これまでの旅でゲラルトがシリに対してどのような態度をとってきたか、という「選択」です。
- 彼女を子供扱いし、守りすぎたか?
- 彼女の意志を尊重し、信頼して背中を押したか?
シリは最後の決断を下し、白き霜の中へと飛び込んでいきます。

物語の結末は、プレイヤーであるあなたの選択に委ねられています。しかし、どの結末を迎えたとしても、この物語が描きたかったのは「愛とは所有することではなく、相手の成長を信じて見守ること」という真実でした。
伝説は終わらない:次なる「ウィッチャー4」への期待
ゲラルトの壮大な物語は『ウィッチャー3』で一つの美しい完結を迎えました。しかし、ウィッチャーの世界そのものが終わったわけではありません。
現在、開発元のCD PROJEKT REDは、新たに『ウィッチャー4』の制作を正式に発表しています。
新たな流派「オオヤマネコ」の謎

公開されたティザー画像には、雪に埋もれたウィッチャーのメダルが描かれていました。しかし、それはゲラルトの象徴である「狼」ではなく、「オオヤマネコ(Lynx)」のように見えるものでした。
これは、原作小説にもゲームの過去作にも登場しない、全く新しいウィッチャーの流派が登場することを示唆しているのかもしれません。
受け継がれるバトン
次作の主人公は誰になるのでしょうか? ウィッチャーとしての素質を開花させたシリになると示唆されています。
Unreal Engine 5による圧倒的なグラフィックで描かれる次世代のウィッチャーワールド。ゲラルトが築き上げた伝説は、形を変え、次の世代へと確かに受け継がれようとしています。
私たちは、再び銀の剣を背負い、怪物と運命に立ち向かうあの日を、心待ちにするばかりです。
まとめ:あなたの選択が物語を完成させる
ウィッチャー3のストーリーは、単なる勧善懲悪の英雄譚ではありません。
- 正義と悪の曖昧さ
- 戦争の悲惨さと個人の尊厳
- 血の繋がりを超えた家族の絆
これらが複雑に絡み合い、プレイヤー自身の価値観を揺さぶるからこそ、世界中の人々を魅了してやまないのです。
動画で物語の全貌を知った今こそ、実際にコントローラーを握り、ゲラルトとなってこの世界を歩いてみてください。あなた自身の選択で紡がれる物語は、きっと解説以上の感動を与えてくれるはずです。



コメント