CDPRがGOGを創業者の手へ売却:『ウィッチャー4』開発への覚悟と、GOGの「原点回帰」が意味するもの

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gog.com 発売前情報
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2025年12月29日、ゲーム業界に激震が走りました。CD PROJEKT(以下CDPR)が、長年運営してきたPCゲームプラットフォーム「GOG.com」を売却すると発表したのです。

しかし、このニュースの深層は「売却して終わり」という単純なものではありません。買い手がCDPR共同創業者のミハウ・キチンスキ(Michał Kiciński)氏であること、そしてCDPRが現在開発中の『ウィッチャー4』に全精力を注ごうとしていること。これらが複雑に絡み合っています。

本記事では、今回の売却劇が『ウィッチャー4』の開発にどう影響するのか、そしてファンの反応と私自身の見解を交えて深掘りします。

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ニュースの核心:なぜ「身内」への売却だったのか

まず重要な事実は、GOGがTencentやMicrosoftといった巨大資本に買われたのではなく、「生みの親」の元へ帰ったという点です。

売却情報

💲売却額
約9070万ズロチ(約2520万ドル)

🤵新オーナー
ミハウ・キチンスキ氏(CDPR共同創業者であり、現在は経営から離れていた大株主)

キチンスキ氏は、GOGの設立理念である「DRMフリー(権利保護技術による制限なし)」「クラシックゲームの保存」の強力な支持者です。上場企業であるCDPRグループ内では、利益率の低いGOGの運営方針(DRMフリーへの固執など)が株主からの圧力要因となっていました。

今回の売却は、「利益追求を求めるCDPR」「理念を守りたいGOG」の、友好的かつ戦略的な分離と言えます。

『ウィッチャー4』開発との深い関係

多くのゲーマーが気にかけているのは、「CDPRは資金難なのか?」という点でしょう。ここには、現在佳境に入っている『ウィッチャー4』の開発状況が大きく関わっています。

リソースの「選択と集中」

cyberpunk

『サイバーパンク2077』のローンチ時のつまずきは、CDPRにとって痛恨の教訓でした。次期フラッグシップである『ウィッチャー4』では、同じ失敗は絶対に許されません。

GOGは近年、SteamやEpic Games Storeとの競争で苦戦し、グループ全体の収益に対する貢献度は低下していました。経営陣としては、GOGの黒字化に経営資源(人材、時間、資金)を割くよりも、すべてのリソースをゲーム開発本業に集中させたいという意図が明確です。

Unreal Engine 5への移行とコスト

Unreal Engine 5

CDPRは自社エンジン(REDengine)を捨て、Unreal Engine 5への移行を進めています。この技術的転換期において、プラットフォーム運営という別のビジネスを切り離すことは、開発チームの負担を減らし、クオリティコントロールに専念するための合理的な判断です。

つまり、今回の売却は『ウィッチャー4』を完璧な状態で世に出すための「覚悟の表れ」と読み解くことができます。

コミュニティとファンの反応

SNSやReddit、フォーラムでの反応は、驚きと共に「安堵」の声が多く見られます。

ポジティブな反応

ヴェセミル
最悪の事態は免れたようじゃの。

多くのファンが恐れていたのは、大手パブリッシャーによる買収と、それに伴うDRM(コピーガード)の強制導入でした。創業者への売却は「GOGらしさ」が守られる最善のシナリオと受け止められています。

イェネファー
GOGの復活に期待ね。

上場企業の論理から解放されることで、「もっとニッチでマニアックな旧作復刻ができるのでは?」という期待の声があります。

懸念の声

資金力は大丈夫なのか?

巨大なバックボーンを失ったGOGが、単独でサーバー維持や新作契約を続けられるのか、長期的な存続を危ぶむ声も根強くあります。

ランチャーの連携はどうなるの?

GOG GALAXYの機能縮小などを心配するユーザーもいます(現時点では維持されると発表されていますが…)

筆者の視点:これは「敗走」ではなく「進化のための分離」だ

私自身の見解として、今回のニュースはゲーマーにとって短期的には衝撃ですが、長期的にはプラスに働くと考えています。理由は以下の3点です。

① CDPRの本気度に対する信頼

『ウィッチャー3』のような体験を再び届けるためには、CDPRは「ゲーム屋」であることに集中すべきです。

プラットフォームビジネスはあまりにも競争が激しく、巨大資本の殴り合いになっています。そこで消耗するより、最高のRPGを作ることに特化してくれた方が、我々ファンとしては嬉しいはずです。

何と言っても最高の『ウィッチャー4』を体験したいですよね!

② GOGの「文化遺産保護」としての役割

クラシックゲーム

GOGは単なるストアではなく、動かなくなった古いゲームを現行PCで動くように修正して販売する「アーカイブ機関」のような側面を持っています。

キチンスキ氏の下で独立採算となることで、売上至上主義ではなく、「文化の保存」という本来のミッションに立ち返ることができるでしょう。

③ ユーザーへの誠実さ

ユーザーへの誠実さ

完全に外部へ売り飛ばして現金化することもできたはずです。それをせず、理念を共有する創業者へ譲渡した点に、CDPRの(あるいはキチンスキ氏の)ゲーマーに対する最後の誠実さを感じます。

これは完全な私の私見ですが、ウィッチャー4が大成功でリリースできた暁には再度買い戻すことも視野に入れているのではないかと思っています。

まとめ

CDPR

CDPRによるGOG売却は、決してネガティブな切り捨てではありません。それは、『ウィッチャー4』という未来の傑作を生み出すための体制強化であり、同時にGOGというPCゲーム文化の聖域を守るための防衛策でもあります。

今後発売されるCDPRのタイトルは引き続きGOGでも配信される契約となっています。私たちは、身軽になったCDPRが作り出す次世代のRPGと、制約から解き放たれたGOGのマニアックな展開、その両方に期待して良いのではないでしょうか。

あなたのライブラリにあるゲームは安全です。そして、これから作られるゲームへの期待値は、むしろ上がったと言えるはずです。

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